昨日も少し書きましたが、この土日に「新天体を見つける」と題した天文学の授業を受けてきました。
講師は国立天文台の懸秀彦准教授です。懸さんは天文学の情報を広く一般に配信している国立天文台の天文情報センターにいらっしゃるそうです。
第一日目は、天文学について軽く学習した後、懸さんたちが製作した天文画像処理ソフト「マカリィ」の使い方など。
マカリィ(ハワイの現地の言葉ですばるのこと)ではFITS画像を読み込んで天体の明るさや位置の検出やブリンク機能(小惑星や超新星の検出に使う)、画像の演算などの様々な機能があります。ステライメージの機能をかなり限定して軽くした感じのソフトです。ちなみにフリーソフトです。
実際に撮影された画像で小惑星探しをしました。サンプルだからなのか、簡単に見つかりました。実際も、小惑星は簡単に見つかるそうです。ただし、小惑星は発見してもすぐ発見者の名前がついたり、命名権がもらえるわけではありません。その小惑星の軌道計算を主にやった人に命名権が行くのだそうです。そして軌道計算もすぐにはできません。発見した時の短期間の予測から計算どおり1年後にちゃんと戻ってくるまで軌道が確定しません。
二日目は超新星の発見方法、星の明るさの測定、超新星の光度曲線から種類(I型、II型など)の同定、新天体の通報の仕方、木星の写真からガリレオ衛星の同定などをやりました。
さて、新天体を発見したらどうしたらいいのか・・。かいつまんで紹介します。
まず、彗星や新星や超新星など怪しいのを発見したら、それが既知のものかどうかまず確認しなければなりません。
Aladin http://aladin.u-strsbg.fr/ や
バーチャル天文台のSkyView http://skyview.gsfc.nasa.gov/
などで確認します。
また、小惑星だったら、IAU小惑星センター(Minor Planet Center) のデータベースで確認します。←これは強力
新天体だと確信したら、すみやかに通報します。3つの方法があります。
1. 国立天文台へ通報
2.星ナビでおなじみ中野主一さんに通報
3.直接スミソニアン天体物理観測所に通報
どれでもいいそうです。
ちなみに小惑星を発見して通報しても「ああそうですか。」で終了だそうです。ちゃんと軌道計算してまた連絡しないと意味がないんだそうですよ。
よーし、死ぬまでに超新星か新星を発見してやるぞ!!
ほんとに楽しい授業でした。
余談、懸氏の若いころ地元の長野で北アメリカ星雲が肉眼で見えたそうです。本当でしょうか? 赤い星雲なのに?
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